第5回 neco論で経済
「グローバル化が促す内外の大型再編」
<望月講師の資料から抜粋>
2015年の世界のM&Aは前年比42%増、約4兆7千億㌦(約555兆円)と8年ぶりに過去最高を更新した。
ファイザーのアラガン買収は医薬業界で過去最大規模。ダウ、デュポンの経営統合も化学業界では最大規模。
2016年も、ゼネラル・エレクトリック(GE)が米家電事業を中国の海爾集団(ハイアール)へ54億ドルで売却すると発表。
日本企業の15年はイン・アウト型M&Aが活発に
東京海上HDは過去9年間で2兆円弱の海外M&Aを手掛けたが、うちHCCインシュアランスは最大規模。
旭化成は米スリーM社と連携し「共同分割案件」を実現。
ビールは世界1位のABインブベが2位のSABを買収。
世界のビール市場の約3割を握る巨大企業に。食品業界では過去最大のM&Aとなる。
インベブは北米や南米で高シェア、SABはアフリカ開拓で先行する。インベブはSABを傘下に収めることで、成長率を確保すると同時に、年14億㌦の経費節減効果を。
中国、国有企業の再編急ぐ
過剰設備を処理し経営効率を高めて、世界で戦える巨大企業を。
・15年6月、二大車両メーカーである旧・中国南車と旧・中国北車が合併し、世界の地下鉄シェアで5割を占める中国中車が誕生
・二大海運会社である中国遠洋運輸集団と中国海運集団を経営統合。世界4位の海運会社に。
日本の石油大手、再編相次ぐ見込み
JX+東燃ゼネラル 14兆3千億円 (2014年の売上を単純合算)
出光+昭和シェル 7兆6千億円
新日鉄住金が17年3月をめどに日新製鋼を買収。
鉄鋼大手は合併を繰り返し、JFEホールディングス との2強体制
ファミマ・ユニーが統合合意
コンビニは、セブンイレブン、ファミマ、ローソンの3極体制
日生、トップ死守へ再編策を繰り出す
日本生命は16年3月までに三井生命を買収し、子会社化。保険料収入トップの座を、第一生命から奪い返す見込み。
サントリーHDは海外企業の大型買収など、積極策が効果を挙げ、14年12月期の連結決算で売上高2兆4552億円と食品トップに躍進した。(キリンHDの同期は2兆1970億円)
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